「InfoView(Inforance's Interview)」は、インフォランスゆかりの経営者に代表の佐々木がインタビューをする企画です。今回は、インターネット広告の効果測定システムで国内No.1 のシェアを持つ「ADEBiS」や、オープンソースのECパッケージ「EC-CUBE」の開発・販売で、IT業界に新しい風を吹き込んでいる、株式会社ロックオンの代表取締役岩田 進様にインタビューさせていただきました。
御社の企業理念である「Impact On the World」という言葉は、文字通り、なかなかインパクトのある、一目を引く言葉ですよね。どういった経緯でこのような想いを持つようになったのでしょうか。
学生時代から、自分と自分の周りに対する関わり方などを考えながら、さまざまな試行錯誤をしてきました。その中でふくらんできた、いちばん強い想いが、この「Impact On the World」、世界にインパクトを与えたいという気持ちだったのです。
それでは、どのような試行錯誤の中から、その想いが生まれてきたのか、岩田社長の生い立ちからお伺いしていきたいと思います。
はい。生まれは奈良で、子どもの頃大阪へ移り、小・中・高とずっと大阪で育ちました。その後、1浪して大学へ入学したのですが、その19歳の時に、現在につながる最初のきっかけとなる出来事がありました。せっかく入学できたにもかかわらず、大学生活のあまりのつまらなさに、最初の2週間で失望してしまったんです。このままこの退屈な中にいてはいけない、何かをやらなくては、という漠然としたあせりが湧き上がる中、「そうだ、10代のうちに世界を見ておかなくちゃ」と思いついたのです。
もう、その時点で大学は退学してしまおうと思ったのですが、さすがにまだ入学して2週間ですから、当然のことながら、家族などからは反対を受けました。そこで、とりあえずは一旦、休学届を出して、海外へ旅立つための準備をはじめることにしました。その後は昼夜を問わず、アルバイトを詰め込み、3カ月ほどで100万円くらいの資金を作り、7月にようやく旅立つことができました。
シンガポールからマレーシア、そしてタイへ行き、その次は空路でインドに行こうかなあと思っていたのですが、そこから気が変わってニューヨークへ向かう、といった具合に、本当に気の向くままに世界を見て回りました。ときには、ホテルと表示してあると狙われて襲われるから、という理由で、看板が出ていないような安宿に泊まったり、ときには屈強な男性たちと同部屋で雑魚寝をしていると、振り返ると斧を振りかざした人が立っていて、本気で命からがら逃げ出すような危険な目に遭ったりなど、日本では到底味わうことのないさまざまな経験を積みました。
退屈な大学生活とはうって変わり、刺激に満ちあふれた旅だったんですね。その旅はいつまで続いたのですか?
半年ほどです。実は、旅の途中で、「仕事をしたい」という衝動に駆られたんです。時間は本当にいくらでもあったので、いろんな土地へ行き、いろんな人に出会いました。もちろんたくさんの刺激を受け、それらは今でもさまざまな場面で役立っていますが、このまま旅を続けていても、自分と世界には何の接点も生まれない、世界の中で自分の役割がないということに気づいたのです。
そこで考えたのが、「世界に関わって生きていきたい。そのためには、なにかひとつの物事を追究し、それを世界のために役立てないといけない」ということ。そのためには、趣味レベルではなく、本気で取り組まないといけない、ならば、仕事を持って、本気で打ち込んだ方がいいんじゃないかと思ったのです。その勢いで、旅先でアルバイトの面接にも行ったのですが、働けるほど英語ができたわけではなかったですし、そもそもビザがありませんでしたし(笑)。そこで、じゃあ日本へ帰って仕事しようと決め、大学1年の冬、12月くらいに日本へ帰ってきました。
旅先で、世界に影響を与えるためにまず自分にできることは、仕事から始まるんだと気づいたんですね。それで、帰国後は何から始めたんですか。
とにかくどこかで働いて、経験を積んでいきたいと思い、学校は休学したまま、地元の洋食屋で働き始めました。しかし、その店は、店長をはじめとして、誰からも本気で働こうとするやる気が感じられず、売上もかんばしくありませんでした。この状況はあまりにもひどいと思い、入って2週間で、店のオーナーの元へ「毎月の赤字分は負担して少しずつ返しますので、自分に店をまかせてくれませんか」と直談判しに行ったのです。
またもや2週間で思いきった行動に出たんですね。それでオーナーは何と?
もともと赤字の店でしたから、オーナーにとっても、赤字分をこちらで負担するという条件はメリットはあれど、デメリットはない提案だったので、「よし、わかった」と言ってもらえました。そこで、店長以下、ほかの従業員を全員辞めさせて、新しく採用活動を行い、内装を変え、メニューを開発し、新たなスタートを切りました。
ずいぶんと思いきった手段を取りましたね。他の従業員は誰も残さなかったんですか?
やはり一人でも残っていると、以前の悪い慣習を引き継いでしまうと思いましたので。でも、15人くらいをクビにしてしまったので、いろいろと大変でしたよ。そのときに、敵対的買収は良くないってことを、身を持って学びました(笑)。
人の採用ってなかなか今日採ってすぐ明日から来てください、っていうわけにはいきませんよね。そのあたりはどうしたんですか?
初めは知人にアルバイトで入ってもらい、徐々に減らして行って普通に採用をしていきました。
その後、お店は順調に成功したんですか。
残念ながら、1年ほどでお店を畳む結果となってしまいました。失敗の原因は明らかでした。当たり前ですけれど、すべてにおいて、スキルが足りなかったんですね。調理や接客という、飲食店のノウハウがなかったのももちろんのこと、経営者という立場で、マネジメントがうまくできなかったのです。本を読んで勉強したりもしましたが、やはりいきなり実践で身につけるにはまだ難しかったんです。そこで、少なくとも何かひとつは、ある程度のレベルのスキルを身につけておかないと、社会では通用しないことを思い知らされました。